うつ病患者への抗精神病薬処方は適切に行われているか

成人うつ病のコミュニティ治療における抗精神病薬の役割を明らかにするため、米国・ラトガース大学のTobias Gerhard氏らが検討を行った。The Journal of clinical psychiatry誌オンライン版2017年7月5日号の報告。

US national Medicaid data(2001~2010)より、うつ病治療の新規エピソードを有する患者(ICD-9-CM:296.2、296.3、300.4、311)を特定した。統合失調症や双極性障害のような、ICD-9-CMで抗精神病薬治療適応症とされる患者は除外した。各患者は、抗精神病薬および抗うつ薬の特徴を明らかにするため、新たな抗精神病薬治療適応症が発現するまで1年以上追跡した。抗精神病薬治療開始後45日目までに別の適応症が認められない患者では、うつ病治療のために抗精神病薬を使用したと考えた。本研究の中では、抗精神病薬治療開始前に最小限の適切な抗うつ薬治療が行われていたかを、抗精神病薬治療開始日を含む31日以上の積極的な抗うつ薬治療と定義した。

主な結果は以下のとおり。

・発症後1年以内に抗精神病薬の処方が開始された患者は、14.0%であった。
・抗精神病薬治療開始患者の41.3%は、治療開始後45日以内にうつ病以外の抗精神病薬適応症を発症した。もっともよく認められた疾患は、双極性障害または精神病性うつ病であった。
・抗精神病薬治療開始患者の残りの58.7%は、非精神病性うつ病であると考えられる。
・このうち、抗精神病薬治療開始前に最小限の適切な抗うつ薬治療を行っていなかった患者は、71.3%であった。

著者らは「抗精神病薬は、新規エピソードうつ病患者の約7人に1人に使用されている。12人に1人の患者については、抗精神病薬の使用が非精神病性うつ病に向けられていると考えられる。これらの患者の約4分の3は、抗精神病薬治療開始前に最小限の適切な抗うつ薬治療が行われていなかった。この結果は、重大な副作用や医学的リスクを伴う薬効群が、潜在的に不相応および早期に使用されている可能性を示唆している」としている。

出典

Gerhard T, et al. J Clin Psychiatry. 2017 Jul 5. [Epub ahead of print]

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