抗うつ薬SSRIの投与量に影響する要因は

抗うつ薬の処方は上昇の一途をたどっており、その原因として長期投与や高用量投与の増加が挙げられる。しかし、高用量処方に関連する患者背景因子については不明のままである。英国・NHS Greater Glasgow and ClydeのChris F Johnson氏らは、うつ病に対する選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の1日投与量と関連する患者背景因子を明らかにするため、プライマリケアにおける横断的研究を行った。その結果、SSRI高用量処方と関連する因子の1つとして、同一抗うつ薬の2年以上の処方が明らかとなったことを報告した。結果を踏まえて著者は、「抗うつ薬の長期使用の増加に伴い、高用量処方の使用はさらに処方の増大に寄与する可能性がある」とまとめている。BMC Family Practice誌オンライン版2014年12月15日号の掲載報告。

本研究の目的は、一般診療でうつ病治療に処方されるSSRIの1日投与量と関連する患者背景因子について調査することであった。調査は、低~高用量処方の層別化サンプルを用いて行った。2009年9月~2011年1月の間の、1診療における各患者のデータを抽出。SSRIが処方された18歳以上のうつ病患者を解析に組み込んだ。SSRIはうつ病治療においてフラットな用量反応曲線を示すが、本研究ではロジスティック回帰分析により、標準治療による1日投与量と高用量投与との比較からSSRIの1日投与量の予測変数を評価した。予測変数は、年齢、性別、貧困、併存疾患、喫煙状況、同じSSRIの2年以上の処方、患者の一般診療であった。ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(もしくはその両方)の長期投与(B&Z)を、患者サブグループに対する第2サブグループ分析の予測変数として加えた。

主な結果は以下のとおり。

・診療間でSSRI処方に有意な相違が認められた。18歳以上患者集団の診療時点有病率(practice point prevalence)は、2.5%(94/3,697例)から11.9%(359/3,007例)にわたった。中央値は7.3%(250/3,421)(χ2=2277.2、df=10、p<0.001)であった。
・全点有病率(overall point prevalence)は6.3%(3,518/5万2,575例)であり、うつ病に対してSSRIが処方された患者は5.8%(3,066/5万2,575例)、うち84.7%(2,596/3,066例)から回帰分析のデータが得られた。
・SSRIの高用量処方と有意に関連していたのは、影響の大きかった順に、患者が受けた診療、同一SSRIの2年以上処方(オッズ比[OR]:1.80、95%信頼区間[CI]:1.49~2.17、p<0.001)、貧しい地域に居住(同:1.55、1.11~2.16、p=0.009)であった。
・B&ZサブグループにおけるSSRI高用量と有意に関連していたのは、患者が受けた診療、長期のB&Z処方(OR:2.05、95%CI:1.47~2.86、p<0.001)、同一SSRIの2年以上処方(同:1.94、1.53~2.47、p<0.001)であった。

出典

Johnson CF, et al. BMC Fam Pract. 2014; 15:6. [Epub ahead of print]

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