抗うつ薬の効果に影響を与える要因とは

抗うつ薬への治療反応を事前に知ることは、臨床的に重要である。しかし、有意義なeffect modification(異なる治療反応に関連する変数)はわかっていない。統計数理研究所の野間 久史氏らは、effect modificationを明らかにするため、これまで日本で実施された抗うつ薬のプラセボ対照試験における被験者個人データ(IPD)を用いてメタ解析を行った。Journal of Affective Disorders誌2019年5月1日号の報告。

うつ病の急性期治療におけるbupropion、デュロキセチン(商品名:サインバルタ)、エスシタロプラム(レクサプロ)、ミルタザピン(リフレックス、レメロンほか)、パロキセチン(パキシルほか)、ベンラファキシン(イフェクサー)のプラセボ対照試験7件より、2,803例のIPDを取得した。

主な結果は以下のとおり。

・ベースライン時のハミルトンうつ病評価尺度(HRSD)の罪責感サブスケールスコアが高いほど、6週目のうつ病重症度の減少率が高く、この差は、現在の年齢または発症年齢が高いほど小さかった。
・8週目のうつ病重症度では、HRSDの罪責感サブスケールスコアとベースライン時の自殺念慮の存在により、減少率が高いと予測された。また、HRSDの無快感および不眠スコア、2週目の早期治療反応は、より小さな減少を予測した。

著者らは「年齢、発症年齢、罪責感・無快感・不眠を含むいくつかのHRSDサブスケール、ベースライン時の自殺念慮の存在、早期治療反応は、うつ病患者に対する急性期抗うつ薬治療の治療反応における潜在的なeffect modificationであると考えられる。将来の研究において、うつ病治療と個人の特性とのマッチングを可能にするため、これらの追加変数を測定する必要がある」としている。

出典

Noma H, et al. J Affect Disord. 2019;250:419-424.

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