うつ病治療に対する早期治療反応の予測因子は

従来の抗うつ薬が遅効性であることを考慮すると、早期治療反応のバイオマーカーを特定することは、重要な課題である。うつ病の神経画像の研究では、皮質厚の減少が報告されているが、抗うつ薬がこの異常を改善させるかはよくわかっていない。米国・イェール大学のSamaneh Nemati氏らは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)治療後の初期の皮質厚変化について、プラセボとの比較を行い調査した。Chronic Stress誌2020年1月~12月号の報告。

うつ病患者215例を対象とし、SSRI(セルトラリン[商品名:ジェイゾロフトほか])群またはプラセボ群に、ランダムに割り付けた。ベースライン時および治療1週間後に、構造的画像(structural MRI)スキャンを行った。治療反応は、8週間後のハミルトンうつ病評価尺度スコア50%以上の改善と定義した。治療効果、治療反応、治療×反応について調査するため、vertex-wise approachを用いた。

主な結果は以下のとおり。

・多重比較の修正後、SSRI群は、プラセボ群と比較し、皮質厚が広範に増大しており、有意な治療効果が認められた。
・皮質厚増加は、左内側前頭前野、右内側および外側前頭前野、右頭頂側頭葉内で認められた。
・SSRI誘発性の皮質薄化は認められず、治療反応または治療×反応の相互作用も認められなかった。

著者らは「うつ病患者でみられる皮質厚の異常が、抗うつ薬で改善する可能性が示唆された。しかし、初期の皮質変化とその後の治療反応との関連は実証されていない。このような初期効果が8週間維持され、治療反応の向上と関連しているかを調査するためには、さらなる研究が求められる」としている。

出典

Nemati S, et al. Chronic Stress (Thousand Oaks). 2020;4.

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