抑うつ症状は認知症の予測因子となりうるのか

抑うつ症状は、健忘型軽度認知機能障害(aMCI)においてもよく見られる症状である。抑うつ症状と認知症への転換との関連はまだ明らかになっていない。ベルギー・ブリュッセル自由大学のEllen De Roeck氏らは、aMCI患者における抑うつ症状が認知症への転換を予測するかを確認するため、縦断的研究を行った。

International psychogeriatrics誌オンライン版2016年1月18日号の報告。

本研究にはaMCI患者35例が参加した。すべての参加者について、認知機能検査を行い、抑うつ症状の有無を確認するため高齢者用うつ尺度(GDS)を用いて評価した。GDSスコア11以上を、有意な抑うつ症状ありのカットオフ値とした。認知症への転換は、1.5、4、10年後のフォローアップ訪問にて評価した。

主な結果は以下のとおり。

・31.4%の患者は、ベースライン時に抑うつ症状が認められた。
・ベースライン時のいずれの認知機能検査においても、うつ症状の有無による有意差は認められなかった。
・1.5、4、10年後に認知症へ転換した患者は、それぞれ6、14、23例であった。
・ベースライン時のGDSスコアは認知症への転換を予測しなかったが、認知機能検査、具体的には手がかり再生検査(記憶障害スケールを含む)は転換の良好な予測因子であった。
・今回の対象者において、MCI患者における抑うつ症状は、認知症への転換を予測する因子とは言えなかった。

出典

De Roeck E, et al. Int Psychogeriatr. 2016 Jan 18. [Epub ahead of print]

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