青年期のうつや不安と精神病様症状体験との関連

最近の横断研究では、精神病様症状体験(PLE:psychotic-like experience)が青年のうつ病や不安に関連していることが示唆されている。縦断研究において、PLEの持続により、青年のうつ病や不安がより重篤であることが観察されているが、PLEの出現や寛解により、うつ病や不安の悪化や改善が認められるかはわかっていない。青年期におけるうつ病や不安の縦断的変化と1年間のPLE軌跡との関連について、学校ベースの調査により検討が行われた。

東京都医学総合研究所の山崎 修道氏らによる、Schizophrenia research誌オンライン版2017年10月18日号の報告。

PLEとうつ病や不安に関するベースライン評価に参加した青年912例中、1年後のフォローアップ評価を完了したのは887例(97.3%)であった。PLE軌跡に沿って、精神健康調査票(GHQ-12)を用いて収集したうつ病や不安の変化を評価するため、ベースライン時のうつ病や不安、性別、年齢、物質使用、虐待で調整したのち、マルチレベル分析を行った。

主な結果は以下のとおり。

・ベースライン時にPLEが報告された青年は16%で、そのうち56%はフォローアップ時に寛解した。
・ベースライン時にPLEが報告されておらず、フォローアップ時に新たにPLEを経験した青年は6.6%であった。
・共変量で調整したのち、新たにPLEを経験した青年では、GHQ-12スコアが有意に悪化した(時間に対する回帰係数:α1=1.91、95%CI:1.04~2.77)。また、寛解した患者では、GHQ-12スコアに有意な改善は認められなかった(α1=-0.20、95%CI:-0.97~-0.56)。

著者らは「学校の保健医療におけるPLEおよびその軌跡に関するより深い認識は、青年のうつ病や不安の予防および治療のキーとなる可能性がある」としている。

出典
Yamasaki S, et al. Schizophr Res. 2017 Oct 18. [Epub ahead of print]

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