日本の認知症者、在院期間短縮のために必要なのは

多くの深刻なBPSD(認知症の周辺症状)を有する認知症者の治療は、自発性にかかわらず精神科病院で行われている。日本における認知症者の平均在院期間は約2年である。症状が安定すれば退院するのが理想的ではあるものの、わが国ではBPSDが落ち着いた後でも、入院を継続するケースがみられる。認知症者の精神科病院在院期間を短縮する要因を特定するため検討が行われた。

神戸学院大学の森川 孝子氏らによる、Psychogeriatrics誌オンライン版2017年2月10日号の報告。

西日本の認知症治療病棟を有する精神科病院121施設に17項目のアンケートを郵送した。

主な結果は以下のとおり。

・45施設より、アンケートの返信があった。
・45施設すべての病院における2014年8月の月間新規入院患者は1,428例、そのうち認知症者は384例(26.9%)であった。
・2014年8月の認知症治療病棟の平均在院期間は、482.7日であった。
・著者らの知見では、認知症病棟における2ヵ月後の退院率は35.4%であった。
・認知症者にリハビリ費用を請求または請求を計画している病院における平均在院期間は、リハビリ費用を請求していない病院よりも有意に短縮されていた。

著者らは「日本では、認知症治療病棟を有する精神科病院の新規入院患者の25%以上を認知症者が占めていた。また、平均在院期間は1年以上であった。認知症者の2ヵ月以内の退院は、ほかの病棟と比較し、認知症治療病棟の入院患者で非常にまれであった。医療機関が、リハビリに重点を置くことができれば、精神科病院における認知症者の在院期間を短縮することが可能であると考えられる」としている。

出典

Morikawa T, et al. Psychogeriatrics. 2017 Feb 10. [Epub ahead of print]

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