日本人若年性認知症、診断1年後の離職率は

若年性認知症(65歳未満で発症する認知症)は、患者や家族の就労に影響を及ぼす。日本の勤労者自身やその家族が若年性認知症と診断を受けた後、どの程度離職するかを明らかにするため検討が行われた。

医療経済研究機構の佐方 信夫氏らによる、Journal of Alzheimer’s Disease誌2017年11月7日号の報告。

レセプトデータベースを用いて、2013年4月~2015年6月に新たに認知症と診断された、勤労者40~59歳143例および、勤労者の家族40~59歳77例を対象に、コホート研究を行った。若年性認知症を有さない対照群として、若年性認知群と年齢・性別が近似した勤労者715人および家族385人を抽出し、認知症群1人に対照群5人をマッチングさせ、2016年6月までフォローアップを行った。主要アウトカムは、診断から対象者が離職(保険組合の脱退)するまでの期間とした。

主な結果は以下のとおり。

・若年性認知症と診断された勤労者143例と対照群の年齢中央値は53歳(四分位範囲:48~57歳)、女性の割合は13%であった。勤労者の家族で若年性認知症と診断された77例と対照群の年齢中央値は53歳(四分位範囲:50~56歳)、女性の割合は97%であった。
・離職イベントのないフォローアップ期間の中央値は、勤労者で625日(四分位範囲:477~807日)、勤労者の家族で612日(四分位範囲:492~774日)であった。
・1年後の離職率は、若年性認知症の勤労者で14%(95%CI:8.1~19.5%)であり、若年性認知症でない勤労者(7.3%、95%CI:5.3~9.2%)と比較し、2倍高かった(HR:2.26、95%CI:1.47~3.47)。
・家族に若年性認知症患者がいる場合といない場合における、勤労者の1年後の離職率は同程度であった(若年性認知症の家族あり[離職率:7.8%、95%CI:1.6~13.9%]、若年性認知症の家族なし[離職率:6.5%、95%CI:4.0~8.9%]、HR:1.19、95%CI:0.63~2.25)。

著者らは「本研究は雇用力のある大企業の従業員を調べているが、若年性認知症と診断された勤労者の14%は、診断の1年後に離職しており、若年性認知症でない勤労者と比較し、離職率は2倍高かった。医療従事者は、患者が若年性認知症と診断された最初の時点より、できる限り就労を継続できるよう、もしくは代替となる活動を見つけられるように、患者とその家族に対して提案とサポートをすることが重要である」としている。

出典

Sakata N, et al. J Alzheimers Dis. 2017;60:1231-1235.

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