男性医師と女性医師、処方傾向に違いはあるか~抗認知症薬での結果

男性医師と女性医師では、患者をケアする方法にわずかではあるが重大な違いがあるといわれており、女性医師は、ベストプラクティスの推奨事項を遵守する傾向が強いとするエビデンスもある。カナダ・トロント大学のPaula A. Rochon氏らは、認知症のマネジメントにおいて推奨用量より低用量でのコリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)による薬物療法を開始することで、男性医師と女性医師で処方実態に違いがあるかを検討した。PLOS ONE誌2018年10月22日号の報告。

対象は、カナダ・オンタリオ州に在住し、2010年4月~2016年6月に経口ChEI(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)を新規に投与された66歳以上の認知症高齢者。医師の性別と推奨用量より低用量でのChEI治療開始との関連は、患者および医師の特徴で調整し、一般化線形混合回帰モデルを用いて分析した。データは、専門分野別に層別化を行った。副次的分析では、医師の性別と心臓スクリーニング、初期処方の期間短縮との関連性を分析した。

主な結果は以下のとおり。

・分析対象は、男性医師5,811人、女性医師3,443人で、大多数はかかりつけ医であった(83%)。
・女性医師は推奨用量よりも低用量でChEI治療を開始する傾向が強かった(調整オッズ比:1.43、95%CI:1.17~1.74)。
・女性医師は男性医師と比較し、ChEI治療開始時の心臓スクリーニング(55.1% vs.49.2%、p<0.001)や初期処方の期間短縮(41.8% vs.35.5%、p<0.001)などの保守的な処方を実施する傾向が強かった。

著者らは「男性医師と女性医師では、ChEIの処方パターンにおいて統計学的に有意な差が認められ、女性医師の処方パターンは、より注意深く保守的である可能性が示唆された。今結果は、将来、推奨用量より低用量で治療を受けている患者において、良い結果が得られているかを判断するために役立つであろう」としている。

出典

Rochon PA, et al. PLoS One. 2018;13:e0205524.

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