認知症患者への抗精神病薬投与、ベンゾジアゼピン併用で死亡リスク上昇

 認知症患者に対する抗精神病薬投与は、死亡率を増加させるといわれている。しかし、多くの患者において、他の向精神薬との併用療法がおこなわれている。抗精神病薬治療を開始した認知症患者の死亡リスクに対するベンゾジアゼピンおよび抗うつ薬の影響が調査された。

 デンマーク・コペンハーゲン大学のAne Norgaard氏らによる、The Journal of Clinical Psychiatry誌2020年6月2日号の報告。

 対象は、デンマークのレジストリデータより抽出された2009~13年に抗精神病薬による治療を開始した65歳以上の認知症患者。ベンゾジアゼピンまたは抗うつ薬と併用した抗精神病薬の治療期間における180日間の死亡率を比較した。身体的および精神医学的併存疾患、他の処方薬、特別養護老人ホームでのケア、診断からの時間で調整されたハザード比(HR)による評価を行った。

主な結果は以下のとおり。

・認知症患者4万1,494例のうち、抗精神病薬治療を開始した患者は1万291例(24.8%)であった。

・最近、抗精神病薬を使用した患者または入院患者3,140例を除外した7,151例を分析対象とした。

・抗精神病薬単独投与と比較し、ベンゾジアゼピンを併用した患者の死亡リスクは増加した(調整HR:2.19、95%CI:1.83~2.63)。

・一方、抗うつ薬を併用した患者の死亡率は、減少した(調整HR:0.61、95%CI:0.50~0.74)。

 著者らは「ベンゾジアゼピンおよび抗うつ薬の併用が死亡率に及ぼす影響は、直接的な薬物関連の影響が原因である可能性がある。あるいは、さまざまな併存疾患に関連する可能性もある。本結果は、因果関係を証明するものではなく、交絡因子が残存している可能性があるが、認知症患者に対する抗精神病薬とベンゾジアゼピンとの併用には、注意が必要である」としている。

出典

Norgaard A, et al. J Clin Psychiatry. 2020;81:19m12828.

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