せん妄経験は認知症発症リスクに影響するのか

高齢者の急性疾患におけるせん妄発症は、退院後の認知症発症と関連があるかについて、ブラジル・サンパウロ大学のFlavia Barreto Garcez氏らが調査を行った。Age and Ageing誌オンライン版2019年9月30日号の報告。

2010~16年に3次医療の大学病院老年病棟に連続的に入院した60歳以上の急性疾患高齢者を対象に調査を行った。包括基準は、入院時のベースライン認知機能に低下が認められず、退院後12ヵ月間の臨床的フォローアップを実施した患者とした。すべての患者について標準化された包括的な高齢者評価結果を含む入院データは、ローカルデータベースより収集した。事前の認知機能低下は、病歴、CDR、IQCODE-16に基づき特定した。せん妄の評価には、簡易版CAMを用い、退院後12ヵ月後の認知症発症は、医療記録のレビューに基づいて特定した。せん妄と退院後の認知症発症との関連は、競合リスク比例ハザードモデルを用いて評価した。

主な結果は以下のとおり。

・対象患者数は309例(平均年齢:78歳、女性:186例[60%])、そのうち66例(21%)でせん妄が発症していた。
・24ヵ月(フォローアップ中央値)後、認知症を発症した患者は、せん妄経験患者で21例(32%)、せん妄未経験患者で38例(16%)であった(p=0.003)。
・可能性のある交絡因子で調整した後、せん妄は、退院後の認知症発症と独立して関連が認められた(サブハザード比:1.94、95%CI:1.10~3.44、p=0.022)。

著者らは「入院中にせん妄を経験した急性疾患高齢者の3人に1人は、退院後のフォローアップ期間中に認知症を発症していた。せん妄は、予防可能な認知機能低下の独立したリスク因子であり、せん妄予防の重要性が示唆された」としている。

出典

Garcez FB, et al. Age Ageing. 2019 Sep 30. [Epub ahead of print]

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