どのくらい前から認知症発症は予測可能か

認知症発症の数年前から、認知機能低下が増加していることが縦断的研究で示唆されている。Cognitive Abilities Screening Instrument(CASI)の認知機能テストにおけるスコアの軌道により、正常な老化と比較した認知機能の変化を推定しようと試みた。

米国・ワシントン大学のGe Li氏らによる、Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2017年9月21日号の報告。

米国の健康維持機構(health maintenance organization:HMO)のコミュニティーメンバーを対象としたプロスペクティブコホート研究。対象は、ベースライン時に認知症でなく、CASIスコアを2回以上測定した65歳以上の4,315人。認知症診断前の軌跡変化である平均縦断的軌跡は、CASI項目反応理論(item response theory:IRT)スコアより推定した。性別、教育レベル、APOE遺伝子の認知機能の軌跡への影響を評価した。

主な結果は以下のとおり。

・認知症診断者は、正常な老化と比較して、CASI IRTにおいて臨床診断の10年以上前に認知機能低下が明らかであった。
・平均IRTスコアの低下は、男性、低学歴、APOEε4対立遺伝子1以上との関連が認められた。
・認知症診断者の軌跡変化点は、平均臨床診断前の3.1年(95%CI:3.0~3.2)と推定され、その後認知機能低下が加速する傾向であった。
・変化点は、性別、教育レベル、APOEε4遺伝子型で違いは認められなかった。
・性別とAPOEε4遺伝子型による軌跡傾斜にわずかな差が認められたが、教育による差は認められなかった。

著者らは「認知症と臨床診断される10年以上前から、平均的な認知機能の低下が明らかであった。この減少は、臨床診断の約3年前に加速する」としている。

出典

Li G, et al. J Am Geriatr Soc. 2017 Sep 21. [Epub ahead of print]

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