認知症高齢者の抗コリン作用性負荷、抗精神病薬が主な原因

ドイツ・ライプニッツ予防研究疫学研究所のJonas Reinold氏らは、認知症高齢者における入院中の抗精神病薬と抗コリン作用薬の使用変化を評価し、抗精神病薬処方と抗コリン作用性負荷(ACB)の増加に関連する因子について検討を行った。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2019年2月13日号の報告。

2012~14年にイタリア・ウディネ大学病院に入院した認知症患者のうち、退院時診断を受けた65歳以上の患者を対象に、レトロスペクティブコホート研究を実施した。入院前後3ヵ月間の処方薬は、各調剤薬局より収集し、退院時の処方はHospital Electronic Medical Records(EMR)より収集した。ACBは、Anticholinergic Cognitive Burden scoreを用いて評価した。

主な結果は以下のとおり。

・1,908例中、退院時に抗精神病薬を使用していた患者は37.0%(入院前:9.4%、入院後:12.6%)、抗コリン作用薬を使用していた患者は68.6%(入院前:49.1%、入院後:45.7%)であり、38.4%の患者のACBは、主に抗コリン作用を有する抗精神病薬の使用増加により、退院時の増加が認められた(退院時:33%、入院前:12%)。
・退院時の抗精神病薬処方は、抗精神病薬による前治療(調整オッズ比[aOR]:4.85、95%CI:3.37~6.97)、精神状態(aOR:4.39、95%CI:3.47~5.54)、外科部門からの退院(aOR:2.17、95%CI:1.32~3.55)との関連が認められた。
・ACBの増加は、精神状態(aOR:1.91、95%CI:1.52~2.39)、外科部門からの退院(aOR:1.75、95%CI:1.09~2.80)、内科部門 からの退院(aOR:1.50、95%CI:1.04~2.17)、心不全(aOR:1.41、95%CI:1.00~1.99)との関連が認められた。

著者らは「認知症患者のACBは、退院時に高く、抗精神病薬の使用増加が主な原因であった。認知症高齢者を治療する際、臨床医は、抗精神病薬に関連するリスクとこれらの薬剤の中には抗コリン作用リスクを増加させる可能性があることを知っておく必要がある」としている。

出典

Reinold J, et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2019 Feb 13. [Epub ahead of print]

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