アルツハイマーに対する漢方薬治療は推奨されるか

現在、アルツハイマー病(AD)に対する治療または疾患修飾治療は十分ではない。中国の漢方薬(CHM:Chinese herbal medicine)は、海馬の神経発生を促進することにより、ADの進行を防ぐ可能性があるとされている。高品質の無作為化比較試験(RCT)に基づいたCHMのADに対する有効性と安全性を調査するため、システマティックレビューをアップデートし、動物ベースの研究における神経発生の有力なメカニズムについてレビューされた。

中国・温州医科大学のWen-Ting Yang氏らによる、Biochemical pharmacology誌オンライン版2017年10月1日号の報告。

2017年2月までの研究を8種類のデータベースより検索し、1,767例を含む20件の研究が抽出された。研究の内訳は、CHM vs.プラセボ(3件)、CHM vs.ドネペジル(商品名:アリセプト)(9件[10回比較])、CHM+ドネペジル vs.ドネペジル(3件)、CHM vs.標準治療(3件)、CHM+標準治療 vs.標準治療(2件)であった。有害事象は11研究で報告されていたが、3研究では観察を除いて分析され、6研究では分析がされなかった。

主な所見は以下のとおり。

・補助療法としてのCHMは、付加的な抗AD効果を発揮したが、単独療法としてのCHMの有効性は決定的ではなかった。
・CHMは、AD患者において一般的に安全であり、忍容性も良好であった。
・CHM中の活性分子は、神経発生を調整する複数の重要なシグナル伝達経路を変化させることができる。

著者らは「限られた範囲である現在のエビデンスによると、CHMはAD患者に対する日常的な使用に推奨可能であり、その有力なメカニズムは、複数のシグナル経路を活性化することにより、成人の海馬の神経発生を増強することである」としている。

出典

Yang WT, et al. Biochem Pharmacol. 2017;141:143-155.

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