老化を治療する。そんな日は来るのか

アルツハイマー病などの認知症が増加する根本的な要因は、老化である。老化を治療戦略とする考え方は新しいものではないが、老化と加齢による疾患が分子レベルで、どれほど密接に関連しているかはよくわかっていない。米国・ソーク研究所のJoshua Goldberg氏らは、アルツハイマー病の候補薬J147の分子標的を同定し、老化と認知症との新規分子リンクを発見するための検討を行った。Aging cell誌オンライン版2018年1月7日号の報告。

J147は、脳の老化に関連する疾患毒性を模倣する一連のスクリーニングアッセイを用いて開発された。著者らはこれまで、アルツハイマー病モデルマウスにおけるJ147の治療効果を実証してきた。本検討では、ミトコンドリアα-F1-ATP合成酵素(ATP5A)をJ147 の標的として同定した。

主な結果は以下のとおり。

・ATP合成酵素を標的とすることにより、J147は標準的な長寿メカニズムであるAMPK/mTOR経路のCAMKK2依存活性化の持続をもたらし、細胞内のカルシウム増加を引き起こした。

・J147によるミトコンドリアプロセスの調整は、マウスの海馬トランスクリプトームおよび血漿メタボロームの年齢に関連した流動を抑制し、ショウジョウバエの寿命を延長した。

著者らは「老化と加齢に伴う認知症とがATP合成酵素により結び付けられた。J147は、老化と認知症の両方を抑制するために開発可能な分子標的治療薬である。このことから、新規アルツハイマー病候補薬のためのスクリーニングが、確立された老化経路に影響する化合物を同定することを示しており、両者の間に思ったより近い分子関係があることを示唆している」としている。

出典

Goldberg J, et al. Aging Cell. 2018 Jan 7. [Epub ahead of print]

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