認知症になりやすいアルコール依存症、その予防療法とは

アルコール使用障害は、認知症に寄与する最も重要な因子の1つである。台湾・高雄医学大学のWei-Po Chou氏らは、台湾の全国データベースを用いて、アルコール使用障害患者に対するチアミン療法の認知症発症予防効果について調査を行った。Clinical nutrition誌オンライン版2018年5月21日号の報告。

1995~2000年の縦断的健康保険データベースを検索し、レトロスペクティブコホート研究を実施した。アルコール使用障害の診断後にチアミン投与を受けた患者をチアミン療法(TT)群とし、年齢、性別、インデックスイヤーにマッチしたTTを行わないアルコール使用障害患者を対照(NTT)群として無作為に割り付けた。患者背景、併存疾患、向精神薬使用について評価を行った。累積の規定1日用量(DDD)を分析し、用量効果を検証した。

主な結果は以下のとおり。

・各群の患者数は、5,059例であった。
・TT群は、NTT群よりも、認知症のハザード比が低かった(0.76、95%CI:0.60~0.96)。
・患者背景、併存疾患、向精神薬使用で調整した後、調整ハザード比は0.54(95%CI:0.43~0.69)であった。
・23超の累積DDDを有するTT群において、有意な差が認められた。
・カプランマイヤー分析では、NTT群よりもTT群において、認知症の累積発症率が低いことが示された。

著者らは「チアミン療法は、アルコール使用障害患者における認知症発症の予防因子であることが示唆された。アルコール使用障害患者の認知症の発症および進行を予防するための治療計画、保健政策において、チアミン療法は重要である」としている。

出典

Chou WP, et al. Clin Nutr. 2018 May 21. [Epub ahead of print]

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