「阿部式BPSDスコア」認知症のBPSD評価に有用

岡山大学の阿部 康二氏らは、認知症患者の行動と心理症状(BPSD)を評価する「阿部式BPSDスコア(Abe’s BPSD score:ABS)」を開発し、スコアの有用性について、標準的BPSDスコアであるneuropsychiatric inventory(NPI)と比較検討した。その結果、NPIスコアと良好な相関性が示され、より短時間で評価でき、評価者間信頼性も高いことが明らかになった。結果を踏まえて著者は「ABSは軽度~中等度の認知症患者のBPSDの評価に有用である」と報告している。Neurological Sciences誌2015年1・2月号の掲載報告。

BPSDは、認知障害とともに認知症患者の大半でみられる重要な側面である。阿部氏らは、簡易なBPSD評価の開発に取り組んだ。まず、認知症介護者協会のメンバー全員(129例)に調査表を送り、地域における臨床的サーベイを行った。その後、10項目から成る新たなBPSDスコアを作成した。同スコアをNPIスコアと比較し、相関性(認知症792例)、スコア評価が完了するまでの時間(認知症136例)について検討した。また、評価者間信頼性について、主介護者・従介護者(70例)間でスコアを比較して調べた。

主な内容は以下のとおり。

・ABSは、地域の介護者に対する臨床的サーベイに基づき作成された。
・各BPSD評価項目は、頻度や重症度に基づき4段階(配点は最大1~9点)で評価し、BPSDの一時的発生を考慮に入れたものとなった。
・ABSは、主介護者により44点満点で評価された。
・認知症792例(78.6±7.0歳、MMSEスコア:19.0±5.9)で評価したNPIスコアとの相関性は良好であることが示された(r=0.716、p<0.01)。
・認知症136例で評価したスコア評価が完了するまでの時間は、NPIスコア132.7±94.0秒に対し、ABSはわずか56.8±38.8秒で有意な短縮が認められた(p<0.01)。
・主・従介護者の評価者間信頼性は高かった(r=0.964、p<0.01)。主介護者と従介護者のABSスコア差はわずかであった(0.877倍)。
・ABSは迅速かつ簡便にBPSDを評価する新しい検査法で、NPIと良好な相関性を示した。時間も短縮でき、評価者間信頼性も高かった。
・ABSは、軽度~中等度の認知症患者のBPSD評価に有用である。

出典

Abe K, et al. J Neurol Sci. 2015;350:14-17.

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