せん妄治療への抗精神病薬投与のメタ解析

藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らは、2007年に報告した、せん妄治療に対する抗精神病薬のメタ解析のアップデートを行った。Journal of neurology, neurosurgery, and psychiatry誌オンライン版2015年9月4日号の報告。

本メタ解析には、せん妄の成人患者を対象とし、対照(プラセボまたは通常ケア)と比較した抗精神病薬の無作為化比較試験を用いた。主要評価項目は、試験終了時の反応率とした。副次評価項目は、せん妄の重症度改善、臨床全般印象・重症度尺度(CGI-S)、無作為化から奏効までの期間(time to response : TTR)、中断率、個々の有害事象とした。リスク比(RR)、治療必要数(NNT)および有害必要数(NNH)、95%CI、標準化平均差(SMD)が計算された。

主な結果は以下のとおり。

・15件の系統的レビュー(平均期間9.8日、総症例数949例、amisulpride 20例、アリピプラゾール[商品名:エビリファイほか]8例、クロルプロマジン[コントミンほか]13例、ハロペリドール[セレネースほか]316例、オランザピン[ジプレキサほか]筋注またはハロペリドール注62例、オランザピン144例、プラセボ75例、クエチアピン[セロクエルほか]125例、リスペリドン[リスパダールほか]124例、通常ケア30例、ziprasidone32例)、4件の学会抄録と未発表研究を同定した。
・抗精神病薬治療群全体でまとめると、プラセボや通常ケアと比較し、反応率(RR:0.22、NNT:2)、せん妄の重症度スコア(SMD:-1.27)、CGI-S(SMD:-1.57)、TTR(SMD:-1.22)の点で優れていた。
・また、抗精神病薬治療群はプラセボや通常ケアと比較し、口渇(RR:13.0、NNH:5)、鎮静(RR:4.59、NNH:5)の発生率が高かった。
・第2世代抗精神病薬群でまとめると、ハロペリドールと比較し、TTRが短く(SMD:-0.27)、錐体外路症状の発生率が低かった(RR:0.31、NNH:7)。
・第2世代抗精神病薬は、ハロペリドールと比較し、有効性・安全性の面でせん妄治療に有用であることが示唆された。ただし、より大規模なサンプルを用いた、さらなる研究が必要である。

出典

Kishi T, et al. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2015 Sep 4. [Epub ahead of print]

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