子供の頃の睡眠関連問題がその後の精神疾患発症と関連

 小児期の悪夢は、思春期の精神疾患および境界性パーソナリティ障害(BPD)とプロスペクティブに関連している。しかし、この関連が睡眠行動問題にも当てはまるかは不明であり、潜在的なメカニズムもよくわかっていない。英国・バーミンガム大学のIsabel Morales-Munoz氏らは、親から報告された幼児期の睡眠関連問題と11~13歳時の精神疾患およびBPD症状、10歳時のうつ症状に関連する潜在的な影響について調査を行った。JAMA Psychiatry誌オンライン版2020年7月1日号の報告。

 13年以上フォローアップを行ったAvon Longitudinal Study of Parents and Children birth cohortに参加した1万3,488人を対象に評価を行った。1991年4月1日~1992年12月31日に出産予定日であった英国・エイボン州出身の女性に対し、研究への参加を依頼した。データ分析は、2019年5月1日~12月31日に実施した。12~13歳の精神疾患症状は、Psychosis-Like Symptom Interviewを用いて評価し、11~12歳のBPD症状は、UK Childhood Interview for DSM-IV Borderline Personality Disorderを用いて評価した。親から報告された、子供の月齢および年齢が6、18、30ヵ月、3.5歳、4.8歳、5.8歳時における、夜間の睡眠時間、中途覚醒頻度、就寝時間、睡眠習慣の規則性を評価した。

主な結果は以下のとおり。

・精神疾患症状を報告したのは7,155人(女児:3,718人[52%])、BPD症状を報告したのは6,333人(男児:3,280人[52%])であった。

・思春期の精神疾患症状およびBPD症状と有意に関連していた睡眠関連問題は、それぞれ以下のとおりであった。

【精神疾患症状】
 ●18ヵ月時の中途覚醒頻度の高さ(オッズ比[OR]:1.13、95%CI:1.01~1.26)
 ●6ヵ月時の睡眠習慣の不規則さ(OR:0.68、95%CI:0.50~0.93)
 ●30ヵ月時の睡眠習慣の不規則さ(OR:0.64、95%CI:0.44~0.95)
 ●5.8歳時の睡眠習慣の不規則さ(OR:0.32、95%CI:0.19~0.53)

【BPD症状】
 ●3.5歳時の睡眠時間の短さ(OR:0.78、95%CI:0.66~0.92)
 ●3.5歳時の就寝時間の遅さ(OR:1.32、95%CI:1.09~1.60)

・媒介分析では、思春期のBPD症状と3.5歳時の就寝時間の遅さとの関連を除き、上記の関連性は一致していた。

・10歳時のうつ症状は、18ヵ月時の中途覚醒頻度の高さ(バイアス補正推定:-0.005、95%CI:-0.008~-0.002、p=0.002)と5.8歳時の睡眠習慣の不規則さ(バイアス補正推定:-0.006、95%CI:-0.010~-0.003、p=0.003)の精神疾患を伴う関連を媒介していた。

 著者らは「小児期のいくつかの睡眠行動問題は、思春期の精神疾患およびBPD発症と関連していることが示唆された。10歳時のうつ症状は、精神疾患を伴う関連のみを媒介する可能性がある。本結果より、精神疾患とBPDへのより個別化された介入の設計が求められる」としている。

出典

Morales-Munoz I, et al. JAMA Psychiatry. 2020 Jul 1. [Epub ahead of print]

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