未治療小児患者への抗精神病薬投与、その影響は

未治療の小児および未成年者における抗精神病薬の神経学的有害事象への影響について調べた結果、リスペリドン(商品名:リスパダールほか)はジスキネジアおよびパーキンソニズムの出現リスクが高いこと、一方でクエチアピン(セロクエルほか)は神経学的有害事象が少ない抗精神病薬であることが明らかにされた。平均年齢14.4歳の265例について調べ報告した。また、遅発性ジスキネジアリスク増について、低年齢、精神疾患、治療が予測因子であることも報告した。結果を踏まえて著者らは、「抗精神病薬は、未治療および未治療に類する小児集団の神経学的有害事象を増加する。慎重にモニタリングする必要がある」と述べている。

スペインのマドリード・コンプルテンセ大学のMargarita Garcia-Amador氏らによる、Journal of Clinical Psychopharmacology誌2015年12月号の掲載報告。

研究グループは、未治療(および未治療に類する)小児および未成年者を対象とした抗精神病薬治療の1年間の多施設共同観察研究を行い、抗精神病薬の神経学的有害事象への影響について、人口統計学的、臨床的、治療的要因を評価した。最も使用されている3種の抗精神病薬を投与した被験者サブサンプルと、抗精神病薬未治の被験者サブサンプルを用いて2つのサブ解析を実施した。総ジスキネジアスコア(DyskinesiaS)、総パーキンソンスコア(ParkinsonS)、総UKU-認知機能スコアを算出して評価。また、ロジスティック回帰法で、Schooler-Kaine基準判定後に定義された遅発性ジスキネジアのリスク因子を分析した。

主な結果は以下のとおり。

・登録された被験者は、DSN-4のさまざまな第1軸疾患患者265例(平均年齢14.4[SD:2.9]歳)であった。
・観察期間1年において、DyskinesiaS(p<0.001)およびParkinsonS(p<0.001)の増加を認めた。
・リスペリドンはクエチアピンに比べ、DyskinesiaSの増加と関連していた(p<0.001)。
・クエチアピンと比べて、リスペリドン(p<0.001)、オランザピン(p=0.02、ジプレキサほか)のParkinsonS増加が有意に高かった。
・総UKU認識スコアは、観察期間中に低下した。
・抗精神病薬未治療患者の解析においても、有意な結果が得られた。
・観察期間中に15例(5.8%)がSchooler-Kane基準を満たす遅発性ジスキネジアDを呈した。
・観察期間中の遅発性ジスキネジアと関連していたのは、低年齢、精神症状歴、高い累積曝露期間であった。

出典

Garcia-Amador M, et al. J Clin Psychopharmacol. 2015;35:686-693.

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