境界性パーソナリティ障害の症状緩和に、睡眠マネジメントが重要

 睡眠障害と境界性パーソナリティ障害(BPD)は、それぞれの疾患を併発することが少なくない。チェコ・パラツキー大学のJakub Vanek氏らは、BPD患者における睡眠障害関連の知識、睡眠マネジメント、研究の今後の方向性を明らかにするため、ナラティブレビューを実施した。Nature and Science of Sleep誌2021年2月22日号の報告。

 PubMedおよびWeb of Scienceより、1980年1月~2020年10月に公表された論文をキーワード(睡眠障害、不眠症、悪夢、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、BPD)を使用して抽出した。選択基準は、査読付きジャーナルへの掲載、ヒトを対象とした研究、関連トピックのレビュー、英語での報告とした。除外基準は、会議録、解説論文、18歳未満を対象とした試験とした。101件のフルテキストを精査し、選択された42件の論文のリファレンスリストを検索し、合計71件の論文をレビューに含めた。

主な結果は以下のとおり。

・BPD患者では、睡眠障害が高頻度で認められたが、調査数は限定的であり、有病率も5~45%と研究により異なっていた。

・BPDにおける睡眠の客観的な変化を評価した研究結果に一貫性は認められなかった。

・いくつかの研究において、レム睡眠の変化や徐波睡眠の減少が認められた。

・BPD患者では、悪夢の有病率が高かった。

・不眠症を治療しないことにより、情動調節を介して、BPD症状を悪化させる可能性が示唆された。

・BPDの病態が、睡眠の主観的な質に影響していると考えられる。

・BPD患者における睡眠障害の適切な診断および治療は、BPD治療により良い結果をもたらす可能性がある。

・心理療法は、睡眠障害とBPD症状の両方を改善することが期待できる。

 著者らは「BPD患者の睡眠障害を把握し、適切にマネジメントすることは、症状緩和に役立つ可能性がある。BPD患者の治療計画に睡眠関連の問題への対処を含めることは、より効果的な治療につながるであろう。さらなる研究により、信頼できる結論に至ることが望まれる」としている。

出典

Vanek J, et al. Nat Sci Sleep. 2021;13:239-250.

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