境界性パーソナリティ障害女性が抱える自分の体に対するネガティブな評価

 自分の体を評価するうえで、精神状態は大きく影響する。精神疾患を有する女性患者の身体評価は、健康な女性と比較し、ネガティブに表れる。とくに、境界性パーソナリティ障害(BPD)を含む児童性的虐待(CSA)に関連する問題によって、ネガティブな評価が増加することが示唆されている。しかし、このネガティブな評価が症状寛解後も持続するのか、体の場所(性的に暗示される場所と中立的な場所)に依存するか、CSAに依存するかについてはよくわかっていない。ドイツ・ハイデルベルク大学のNikolaus Kleindienst氏らは、BPD患者の身体評価とCSA歴の影響について、調査を行った。European Journal of Psychotraumatology誌2020年6月25日号の報告。

 BPD患者、BPD寛解患者、健常対照者の女性68例を対象に、身体評価を定量的に比較した。次に、CSA歴と性的に暗示される体の場所との関連を調査した。BPDの診断には、国際人格障害診断を用いた。対象者は、身体領域に関する調査を用いて、自分の体の評価を定量化した。CSAの評価には、小児期外傷アンケートを用いた。

主な結果は以下のとおり。

・BPD患者の身体評価は、一般的にネガティブであったが、BPD寛解患者では、ポジティブであった。

・しかし、BPD寛解患者のポジティブな評価は、中立的な体の場所に限定されており、性的に暗示される体の場所に関しては、BPD患者と類似しており、健常対照者の評価とは対照的であった。

・BPD寛解患者の性的に暗示される体の場所に対する評価は、CSA歴と有意な関連が認められた。

 著者らは「女性BPD患者には、全身のポジティブな評価を得るために、特別な介入が必要となる可能性がある。性的に暗示される体の場所に対する評価は、BPD寛解後も残存する問題であると考えられる」としている。

出典

Kleindienst N, et al. Eur J Psychotraumatol. 2020;11:1764707.

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