双極性障害の治療反応を予測する因子とは

急性躁病または混合エピソードに対する抗精神病薬の一連の試験において、ヤング躁病評価尺度(YMRS)やMontgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)による治療前の重症度評価は、うつ病、躁病、睡眠障害、判断力/衝動性、焦燥/敵意といった精神症状の主要構成要素の複合因子を特定するために用いられる。しかし、これらの因子が治療効果を予測するかどうかは不明である。米国・スタンフォード大学のMichael J Ostacher氏らは、双極性障害の治療反応を予測する因子について検討した。International journal of bipolar disorders誌オンライン版2015年5月号の報告。

本検討では、成人双極I型障害患者の急性躁病または混合エピソードに対するアリピプラゾール(商品名:エビリファイほか)の無作為化二重盲検比較試験6報のデータがプールされ、治療前の評価項目とそれらの値の治療後の変化を調査した。治療効果は、アリピプラゾール1,001例、ハロペリドール(セレネースほか)324例、リチウム(リーマスほか)155例、プラセボ694例について、ベースライン、4、7、10日目、その後毎週および試験終了時について調査した。ベースラインから3週目までの因子スコアの平均変化を、4日目、1週時点の変化率からROC曲線により評価した。

主な結果は以下のとおり。

・アリピプラゾール、ハロペリドール、リチウム投与を受けた患者では、プラセボと比較し躁病因子スコアの有意な改善が認められた。
・アリピプラゾールのエンドポイントでの有効性を最も予測する因子は、4日目時点の判断力/衝動性と1週目時点の躁病であった。
・転帰予測のための最適な因子スコアの改善は、約40~50%であった。
・初期の有効性は、すべての因子において転帰を予測したが、1週時点での反応は4日時点での反応よりも優れた予測因子であった。
・双極性躁病患者に対する早期の治療および評価が臨床的メリットをもたらすこと、混合または躁病エピソードにおける特定の症状が、治療反応を最も予測することが示唆された。

出典

Ostacher MJ, et al. Int J Bipolar Disord. 2015; 3: 11. eCollection 2015.

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