日本人双極性障害患者のリチウム治療反応予測因子

双極性障害患者では、機能的アウトカムに有意な影響を及ぼす認知機能障害が問題となることが多い。しかし、認知機能や機能的アウトカムの中心的な役割に対するリチウムの影響はよくわかっていない。獨協医科大学の齋藤 聡氏らは、リチウム治療中の双極性障害患者において、患者背景および臨床的変数(リチウムへの治療反応を含む)によって、認知機能および機能的アウトカムが予測されるかを検討した。Bipolar disorders誌オンライン版2017年7月10日号の報告。

リチウム治療中の双極性障害患者96例および年齢、性別をマッチさせた健常対照者196例を対象に、統合失調症認知機能簡易評価尺度(BACS)を用いて評価を行った。双極性障害患者は、SFS(社会機能評価尺度)およびAldaスケール(リチウム治療への反応評価尺度)総スコアの連続計測または二分法でそれぞれ評価した。

主な結果は以下のとおり。

・重回帰分析より、以下の2つの重要な知見が明らかとなった。
◆発症前のIQ、年齢、気分エピソード数がBACS複合スコアの予測因子であった。
◆BACS複合スコア、陰性症状、Alda総スコアの連続計測(二分法でない)がSFS総スコアの予測因子であった。
・これらの知見を確認し、さらに明らかにするためSEM(構造方程式モデリング)を用いたところ、Aldaスケールは、どのように評価されたかにかかわらず、陰性症状や気分エピソード数と有意な関連が認められた。

著者らは「患者背景、臨床的変数、認知機能、リチウム治療に対する反応は、社会的機能と関連し、集約されていることが、SEMにより明らかとなった。社会的機能に対するAldaスケールの役割は、さらなる研究が必要であると考えられる」としている。

出典

Saito S, et al. Bipolar Disord. 2017 Jul 10. [Epub ahead of print]

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