双極性障害患者の脳に対する向精神薬の影響は

双極性障害患者の脳の構造が異常であるとのエビデンスがある。リチウムの摂取量は、全体および部分的に脳ボリュームを正常化すると考えられるが、脳容積や皮質厚に対する抗精神病薬の効果は明確ではない。オランダ・ユトレヒト大学医療センターのLucija Abramovic氏らは、双極性障害I型患者の大規模な均質サンプルを用いて、抗精神病薬とリチウム(商品名:リーマスほか)摂取により誘導された疾患特異的な脳の偏差を明らかにするため検討を行った。European neuropsychopharmacology誌オンライン版2016年9月21日号の報告。

双極性障害I型患者266例および対象被験者171例よりMRI脳スキャンデータを収集した。患者群と対照群における皮質下ボリュームと全体および限局皮質測定(ボリューム、厚さ、表面積)を比較した。患者群において、リチウムおよび抗精神病薬と全体、皮質下、皮質測定との関連を検討した。

主な結果は以下のとおり。

・患者群では、対照群と比較して、側面、第3脳室、尾状核、淡蒼球ボリュームが有意に大きく、前額部、頭頂部、帯状領域にあるいくつかの小さな皮質の有意な薄さが認められた。
・リチウムを摂取制定しない患者では、リチウム摂取患者と比較し、脳全体、視床、被殻、淡蒼球、海馬、側坐核ボリュームが有意に小さかった。
・抗精神病薬摂取患者では、大きな第3脳室、小さな海馬および辺縁皮質ボリュームと関連していた。
・双極性障害患者では、脳全体、皮質下、心室容積、とくに尾状核と淡蒼球の異常が認められた。

出典

Abramovic L, et al. Eur Neuropsychopharmacol. 2016 Sep 21. [Epub ahead of print]

コメント

タイトルとURLをコピーしました