うつ症状と躁症状の架け橋は「気分不安定性」と「過敏性」

精神病理学のネットワーク解析では、精神疾患エピソードを引き起こす可能性のある症状間の因果的相互作用を明らかにするため、個々の症状間の関連性が調査されている。米国・カリフォルニア大学のMarc J. Weintraub氏らは、双極性スペクトラム障害またはそのリスクを有する青年の気分症状に関して、ネットワーク解析を行った。Bipolar Disorders誌オンライン版2019年11月15日号の報告。

対象は、治療が必要な亜急性期のうつ症状または躁症状を呈する青年期双極性障害患者および、そのリスクを有する青年272例。半構造化面接にて評価した症状スコアに基づき、うつ症状と躁症状のネットワークを構築し、ネットワーク内の最も中心的な症状および症状コミュニティを特定した。ネットワークパラメータの信頼性の判定には、ブーストラップ法を用いた。

主な結果は以下のとおり。

・うつおよび躁の気分症状極内の症状は、相反する気分症状極よりも、相互の関連が認められた。
・抑うつ症状コミュニティと3つの躁症状コミュニティを含む4つのコミュニティが特定された。
・ネットワーク全体で、他の症状と最も強い相関関係のある症状は、疲労および抑うつ気分であり、次いで多動であった。
・うつ症状と躁症状の架け橋となる症状は、気分不安定性および過敏性であった。

著者らは「疲労や多動などの活動エネルギー症状は、抑うつ気分や気分高揚と共に、青年期双極性スペクトラム障害の最も顕著な気分症状である。気分不安定性および過敏性は、極性転換の潜在的な兆候である。これら中心的な症状と架け橋となる症状を標的とすることで、双極性障害のより効率的な評価と治療介入につながると考えられる」としている。

出典

Weintraub MJ, et al. Bipolar Disord. 2019 Nov 15. [Epub ahead of print]

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