双極I型障害へのルラシドン(ラツーダ)長期投与、その安全性は?

 双極I型障害は、早期に発症することも多く、小児における推定有病率は1.8%といわれている。早期発症の双極性障害は、慢性化しやすいが、小児に対する薬物療法の長期有効性に関するデータは限られている。本研究では、小児および青年の双極性うつ病患者に対するルラシドン(表品名:ラツーダ)の長期安全性および有効性を評価した。

 米国・シンシナティ大学のMelissa P. DelBello氏らによる、 CNS Spectrums誌2020年4月号の報告。

 まず、双極I型障害でうつ症状を有する10~17歳の患者を対象に、ルラシドン群またはプラセボ群にランダムに割り付け、6週間投与した。6週間後、試験を終了した患者に対し、ルラシドン20~80mg/日をフレキシブルドーズで投与を継続した。なお、プラセボ群の患者は、ルラシドン治療に切り替えを行った。有効性の測定には、小児うつ病評価尺度-改訂版(CDRS-R)を用いた。治療反応は、ベースラインからのCDRS-R合計スコア50%以上の低下と定義した。

主な結果は以下のとおり。

・6週間の試験を完了した306例が長期試験へ移行した。そのうち、52週間の治療を完了した患者は195例(63.7%)、104週間の治療を完了した患者は168例(54.9%)であった。

・各群の平均CDRS-R合計スコアは以下のとおりであった。
 ●ルラシドン群:ベースライン時59.4 → 6週間後36.6
 ●プラセボ群:ベースライン時58.7 → 6週間後41.9

・6週間後から52週目および104週目までのCDRS-R合計スコアの平均変化量は以下のとおりであった。
 ●CDRS-Rスコア:52週目-13.4 → 104週目-16.4

・6週目、52週目、104週目の治療反応率は以下のとおりであった。
 ●全体:6週目51.0%(ルラシドン群64.5%、プラセボ群36.9%) → 52週目88.4% → 104週目91.1%

・長期試験中に有害事象によりルラシドンを中止した患者は31例(10.1%)であった。

・最も一般的な有害事象は、頭痛(23.9%)、嘔吐(16.4%)、傾眠(9.8%)であった。

・長期試験中のルラシドンによる代謝パラメータまたはプロラクチンへの影響は、あまり見られなかった。

・ベースラインからの体重の平均変化量は、52週目+4.25kg、104週目+6.75kgであった。

 著者らは「小児および青年の双極性うつ病患者に対するルラシドンの2年間にわたる治療は、忍容性が良好であり、研究期間の中止率は比較的低かった。また、体重、代謝パラメータ、プロラクチンへの影響は少なかった。そして、ルラシドンの長期治療により、継続的な抑うつ症状改善が認められた」としている。

出典

DelBello MP, et al. CNS Spectr. 2020;25:301-302.

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