双極性障害でみられる強迫症状の治療、アリピプラゾール併用が有効

 双極性障害の薬物治療における第1選択薬の1つであるアリピプラゾール(商品名:エビリファイほか)は、セロトニン再取り込み阻害薬耐性の強迫症(OCD)患者の臨床症状に対する有効性が示唆されている。そのため、OCDを合併した双極性障害患者では、気分安定薬にアリピプラゾールを併用にすることにより、より良い治療結果をもたらす可能性がある。イタリア・トリノ大学のGabriele Di Salvo氏らは、OCDを合併した寛解期双極性障害患者の強迫症状を治療するために、リチウムまたはバルプロ酸にアリピプラゾールを併用した際の有効性および安全性を検討した。Medicina誌2020年12月24日号の報告。

 本研究は、12週間のプロスペクティブ観察研究である。強迫症状に対するアリピプラゾールの有効性は、Yale-Brown強迫観念・強迫行為尺度(Y-BOCS)合計スコアの平均変化で評価した。忍容性は、UKU副作用評価尺度、自己報告の有害事象により評価した。

主な結果は以下のとおり。

・分析対象は、70例であった。

・試験離脱率は21.4%であり、主な理由は有害事象によるものであった。

・試験完了患者55例におけるアリピプラゾールの平均投与量は、15.2±5.3mgであった。

・Y-BOCS平均スコアは、ベースライン時の24.0±4.1から12週間後の17.1±4.3へと減少が認められた。

・Y-BOCSスコア35%以上の低下と定義した治療反応率は41.8%であったが、部分反応(Y-BOCSスコア低下が25~35%)患者が18.2%存在した。

・全体として、試験完了患者の91.4%で1つ以上の有害事象が認められた。主な有害事象は、振戦、緊張や内面的不安、睡眠時間の短縮、アカシジアであった。

・リチウムまたはバルプロ酸で治療された患者と比較し、アリピプラゾールの有効性および忍容性に有意な差は認められなかった。

 著者らは「リチウムまたはバルプロ酸へのアリピプラゾール増強療法は、実臨床における寛解期双極性障害患者の強迫症状軽減に有用であることが示唆された」としている。

出典

Salvo GD, et al. Medicina (Kaunas). 2020;57:9.

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