双極性障害治療、リチウムと抗精神病薬の併用はどの程度効果があるか

 韓国・漢陽大学校のHyun Kyung Lee氏らは、双極性障害患者の躁病エピソードに対するリチウムと抗精神病薬の併用について、人口統計学的予測因子の検討および入院期間や総医療費に及ぼす影響の調査を行った。Cureus誌2020年6月11日号の報告。

 韓国入院患者サンプルを用いて、リチウム治療を行った躁病エピソードを有する成人双極性障害患者1,435例を調査した。入院期間や総医療費への影響を調査するため、同等性評価を伴う独立標本t検定を用いた。ロジスティック回帰モデルを用いて、併用療法のオッズ比(OR)を算出し、95%信頼区間(CI)を推定した。

主な結果は以下のとおり。

・併用療法を行っていた患者の割合は、34.5%であった。

・併用療法を行っていた患者と単剤療法を行っていた患者の間に、年齢、性別による統計学的な有意差は認められなかった。

・併用療法を行っていた患者の割合が高かった因子は、以下のとおりであった。
 ●75パーセンタイル以上の高所得世帯の患者:56.4%
 ●民間保険でカバーされている患者:47.5%

・白人と比較し、黒人(OR:2.00、95%CI:1.43~2.82)とヒスパニック系(OR:2.31、95%CI:1.49~3.57)は、併用療法の割合が高かった。

・併用療法により、躁病エピソードのマネジメントのための入院期間が有意に減少した(2.8日、95%CI:1.13~4.53、p<0.001)。

・総医療費には、統計学的に有意な差は認められなかった(p=0.495)。

 著者らは「リチウムと抗精神病薬の併用療法は、リチウム単剤療法と比較し、双極性障害患者の躁病エピソードの入院期間を2.8日減少させた。入院初日から併用療法を開始することは、より迅速な反応を得るための効果的なモデルであると考えられる」としている。

出典

Lee HK, et al. Cureus. 2020;12:e8568.

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