難しい双極性障害の診断、定期的な抑うつ症状の評価が重要

躁病期間中の抑うつ要素の評価は、混合状態の正確な診断に重要であるが、DSM-5以前の分類システムは非常に狭義なものであった。スペイン・バロセロナ大学のReinares M氏らは、DSM-5における混合性定義の妥当性を評価するため、混合性の特徴を伴う躁病患者と伴わない躁病患者において、臨床的・機能的アウトカムに加え、社会人口統計学的、臨床・治療上の特徴を比較検討した。その結果、躁病患者の2割以上に混合性の特徴を伴う症例が存在すること、混合性の特徴を伴う躁病患者は伴わない患者に比べエピソード数が多く、抑うつ状態の変化が多くみられるなど、臨床的特徴や疾患の経過に相違が認められることを報告した。Australian & New Zealand Journal of Psychiatry誌オンライン版2015年6月号の掲載報告。

スペイン・カタロニア地方にある4病院の躁うつ病患者における躁病の負担に関する多施設自然主義的研究MANia Aguda y COnsumo de Recursos(急性躁病および医療資源消費:MANACOR)のサブ解析を行った。

主な結果は以下のとおり。

・対象は、躁病エピソードを有し6ヵ月間の系統的評価を受けた成人患者169例であった。
・躁病患者の計27%(46/169例)が混合性の特徴を伴っていた。
・混合性の特徴を伴う躁病患者において、エピソード総数(p=0.027)、とくに抑うつおよび混合エピソードがより多くみられ、うつ病発症(p=0.018)、自殺念慮(p=0.036)、急速交代型(p=0.035)、パーソナリティ障害(p=0.071)も同様により多くみられた。
・これに対し、純粋な躁病患者では、入院(p=0.035)、躁状態での発症(p=0.018)、双極性障害の家族歴(p=0.037)、気分と一致する精神病性の症状(p=0.001)、大麻の使用(p=0.006)がより高い割合で認められた。
・また純粋な躁病患者では、ベースラインでのリスペリドンの投与量が多かったが(p=0.028)、混合性の特徴を伴う患者ではバルプロ酸(p=0.049)および抗うつ薬(p=0.005)の投与量が多かった。
・試験終了時点における症状回復に差は認められなかった。
・ただし、混合性の特徴を伴う群では抑うつ状態の変化がより多く認められ(p=0.010)、一方、純粋な躁病患者群では躁状態の変化がより多く認められた(p=0.029)。
・フォローアップ終了時、混合性の特徴を伴う群では、高い心理社会的障害を生じる傾向が顕著に認められた。

結果を踏まえ、著者らは「躁病患者における抑うつ症状を定期的に評価し、治療選択に役立てるべきである」とまとめている。

出典

Reinares M, et al. Aust N Z J Psychiatry. 2015; 49: 540-549.

コメント

タイトルとURLをコピーしました