双極性障害の症状発現にカフェイン摂取量が影響している可能性あり

 カフェインは、健康な人々にとって有益な効果をもたらすといわれているが、双極性障害患者を対象とした心理教育プログラムでは、摂取を制限するよう日常的にアドバイスしている。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのSofia Frigerio氏らは、臨床アウトカムの観点から、双極性障害の自然経過にカフェインの摂取や中止がどのような影響を及ぼすかについて、システマティックレビューを実施した。Bipolar Disorders誌オンライン版2020年9月18日号の報告。

 双極性障害患者を対象に、症状の重症度(躁うつ症状、うつ症状、精神症状、不安症状、睡眠障害、自殺傾向)とカフェイン摂取との関係を報告したすべての研究を、PubMed、Embase、PsycINFO(2020年7月17日時点)より検索した。

主な結果は以下のとおり。

・抽出された研究1,678件のうち17件(ケースレポート:10件、レトロスペクティブコホート研究:1件、横断研究:5件、介入研究:1件)が選択基準を満たした。

・多くのケースレポートでは、さまざまな量のカフェイン摂取により双極性障害患者の症状が、躁状態、軽躁状態、混合状態へ切り替わったこと、および/または、カフェイン摂取の減量により、血清リチウム濃度が上昇したことが報告されていた。

・介入研究では、カフェインがリチウム濃度を抑制する可能性が示唆された。

・レトロスペクティブコホート研究では、コーヒーを飲む患者は、飲まない患者と比較し、自殺傾向が強いと報告された。

・双極性障害患者に対するカフェインの臨床効果を調査した研究は、決定的ではなかった。

 著者らは「双極性障害患者におけるカフェイン摂取量の急激な増加は、直接的な覚醒効果、睡眠パターンへの影響、リチウムや他の薬剤の代謝などを介して、躁症状発現に先行して認められる可能性がある。また、進行中の躁症状の再発や前駆症状の結果として、カフェインの摂取量が増加する可能性もある。カフェインの摂取が、双極性障害の長期予後に影響を及ぼすかを判断するためには、さらなる研究が必要とされる」としている。

出典

Frigerio S, et al. Bipolar Disord. 2020 Sep 18. [Epub ahead of print]

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