双極性うつ病の抗精神病薬治療、ルラシドン、オランザピン、クエチアピンで違いはどの程度?

 藤田医科大学の岸 太郎氏らは、双極性うつ病に対するルラシドン(表品名:ラツーダ、LUR)の有効性および安全性を評価するため、システマティックレビュー、変量効果モデル、日本での第III相試験のネットワークメタ解析を実施し、オランザピン(ジプレキサほか、OLZ)やクエチアピン徐放製剤(ビプレッソ、QUE-XR)との比較検討を行った。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2020年9月9日号の報告。

 本研究には、双極性うつ病患者を対象とした日本での二重盲検ランダム化プラセボ対照第III相試験のデータを含めた。主要アウトカムは治療反応率、副次的アウトカムは寛解率、Montgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)合計スコアの改善、治療中止率、個々の有害事象発生率とした。

主な結果は以下のとおり。

・3件の研究(1,223例)を分析した。

・LURとOLZの奏効率は、プラセボよりも優れていたが、QUE-XRは差が認められなかった。
 ●LUR:リスク比(RR)=0.78、95%CI:0.66~0.92
 ●OLZ:RR=0.84、95%CI:0.71~0.99
 ●QUE-XR:RR=0.87、95%CI:0.73~1.03

・寛解率は、LUR、OLZ、QUE-XRともに、プラセボよりも優れていた。
 ●LUR:RR=0.90、95%CI:0.83~0.98
 ●OLZ:RR=0.87、95%CI:0.77~0.99
 ●QUE-XR:RR=0.84、95%CI:0.73~0.98

・MADRS合計スコアも、各抗精神病薬ともに、プラセボよりも優れていた。

・中止率は、各抗精神病薬とプラセボとの間に差は認められなかった。

・それぞれの抗精神病薬において、プラセボと比較し、発生頻度の高かった有害事象は以下のとおりであった。
 ●LUR:アカシジア、体重増加、プロラクチン上昇
 ●OLZ:傾眠、7%以上の体重増加、体重増加、血中総コレステロール値上昇、血中LDLコレステロール値上昇、血中トリグリセライド値上昇
 ●QUE-XR:錐体外路症状、アカシジア、傾眠、口渇、便秘、7%以上の体重増加、体重増加、血中総コレステロール値上昇、血中LDLコレステロール値上昇、血中トリグリセライド値上昇

 著者らは「双極性うつ病に対する第2世代抗精神病薬による治療の有効性は、3剤ともに同程度であるものの、安全性プロファイルに違いがあることが示唆された」としている。

出典

Kishi T, et al. Neuropsychopharmacol Rep. 2020 Sep 9. [Epub ahead of print]

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