自閉スペクトラム症患者の精神疾患併発率は?

自閉スペクトラム症を有する患者では、非感情性精神病性障害および双極性障害のリスクが高いといわれている。しかし、自閉スペクトラム症と非感情性精神病性障害または双極性障害の併発を検討したこれまでの研究では、診断バイアスや選択バイアスは考慮されていなかった。オランダ・マーストリヒト大学のR. Schalbroeck氏らは、オランダの精神医学的症例レジストリからの縦断データを用いて、自閉スペクトラム症患者の非感情性精神病性障害または双極性障害リスクを評価し、これまでのオランダ人集団における研究結果との比較を行った。Psychological Medicine誌オンライン版2018年11月21日号の報告。

自閉スペクトラム症患者1万7,234例を対象に、16~35歳までフォローアップ調査を行った。非感情性精神病性障害または双極性障害リスクは、カプランマイヤー法を用いて算出した。バイアスを減少させるために、16歳までに自閉スペクトラム症と診断された患者8,337例の分析を含めた個別分析を行った。

主な結果は以下のとおり。

・自閉スペクトラム症患者のうち、35歳までに非感情性精神病性障害と診断された患者は23.50%(95%信頼区間[CI]:21.87~25.22)、双極性障害と診断された患者は3.79%(95%CI:3.06~4.69)であった。
・一般集団における診断率は、非感情性精神病性障害で0.91%(95%CI:0.63~1.28)、双極性障害で0.13%(0.08~0.20)であった。
・リスク推定値は、おおむね低値だったが、一般集団と比べると高値だった。16歳までに自閉スペクトラム症と診断された患者に限定すると、25歳までに1.87%(95%CI:1.33~2.61)が非感情性精神病性障害と診断され、0.57%(95%CI:0.21~1.53)が双極性障害と診断された。
・一般集団における上記の診断率は、非感情性精神病性障害で0.63%(95%CI:0.44~0.86)、双極性障害で0.08%(95%CI:0.05~0.12)であった。

著者らは「自閉スペクトラム症患者の非感情性精神病性障害または双極性障害発症リスクは高かった。この結果には、診断バイアスや選択バイアスは影響していないと考えられる」としている。

出典

Schalbroeck R, et al. Psychol Med. 2018 Nov 21. [Epub ahead of print]

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