パニック症に対するパロキセチン治療、寛解や治療中止のポイントは

日本人パニック症外来患者に対するパロキセチン(商品名:パキシルほか)薬物療法の寛解と治療中止の決定要因について検討が行われた。

獨協医科大学の渡邊 崇氏らによる、Clinical psychopharmacology and neuroscience誌2017年11月30日号の報告。

パニック症と診断された外来患者79例を対象に、パロキセチン10~40mg/日で12ヵ月間治療を行った。治療に影響を及ぼす要因として、遺伝的要因(セロトニントランスポーター遺伝子連鎖多型領域、セロトニン1Aの1019C/Gプロモーター多型)、環境的要因(教育背景、婚姻状態)、臨床的要因(2週間の早期改善)について評価を行った。薬物療法による治療効果は、CGI(臨床全般印象度)スケールを用いて評価を行った。寛解および治療中止の有意な予測因子を調査するため、Cox比例ハザード回帰を行った。

主な結果は以下のとおり。

・唯一、パロキセチン治療による早期改善は、寛解の有意な予測因子であった(ハザード比[HR]:2.709、95%CI:1.177~6.235)。
・早期改善と婚姻状態は、治療中止の有意な予測因子であった。
・早期改善(HR:0.266、95%CI:0.115~0.617)と婚姻状態(HR:0.437、95%CI:0.204~0.939)は、治療中止リスクを軽減することができると考えられる。
・既婚の対象者において、早期改善は治療中止の有意な予測因子であった(HR:0.160、95%CI:0.045~0.565)。
・未婚の対照者において、早期改善は治療中止の有意な予測因子ではなかった。

著者らは「早期改善が、パロキセチン治療におけるパニック症の寛解を決定する要因であると考えられる。さらに、既婚のパニック症患者では、早期改善は、パロキセチンの中止リスクを軽減させるであろう」としている。

出典
Watanabe T, et al. Clin Psychopharmacol Neurosci. 2017;15:382-390.

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